『大航海時代の日本人奴隷 アジア・新大陸・ヨーロッパー増補新版』

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大航海時代の日本人奴隷 アジア・新大陸・ヨーロッパー増補新版』ルシオ・デ・ソウザ著, 岡美穂子著, 2021, 中公選書


戦国時代の日本国内に、「奴隷」とされた人々が多数存在し、ポルトガル人が海外に連れ出していたことは知らされていた。しかし、その実態は不明であり、省みられることもほとんどなかった。ところが近年、三人の日本人奴隷がメキシコに渡っていたことを示す史料が見つかった。「ユダヤ教徒」のポルトガル人に対する異端尋問記録に彼らに関する記述が含まれていたのだ。アジアにおける人身売買はどのようなものだったのか。世界の海に展開したヨーロッパ勢力の動きを背景に、名もなき人々が送った人生から、大航海時代のもう一つの相貌が浮かび上がる。増補にあたっては、豊臣秀吉朝鮮出兵によって大量に連行された朝鮮人捕虜、その捕虜たちの扱いに直面したイエズス会、さらに長崎に連れてこられたアフリカ人奴隷など、アジアにおける奴隷貿易の実態をさらに深く紹介する。(引用元